日本酒を製造したときに出る酒粕の生酵母を、牧場独自の飼料に配合して育てている「びえい和牛」。このびえい和牛を繁殖から肥育まで一貫生産しているのが、北海道美瑛町にある「ファームズ千代田」です。
このファームズ千代田に、3年前就職したのが近藤ももなさん。愛知県出身ですが、北海道にある農業高校へ進学したことをきっかけに、畜産の道へ進んだそうです。
同じ学校の同級生たちは、トリマーなど農業とは違う道を歩んだそうですが、なぜ近藤さんは見慣れる土地で、畜産農家になることを決めたのでしょうか。
そして、実際に農家になってみて見えてきた目標とは?
目次
農家になったきっかけは、やっぱり動物が好きだから
愛知県の三河地方で生まれ育った近藤さん。中学校までは地元の学校に通っていたそうです。しかし、高校の進学先を考えている時に、何がやりたいのか、どんな道に進みたいのかを真剣に悩んだ結果、農業高校に進むことにしました。
愛知県にも農業高校はありますが、近藤さんが進学したのは北海道にある農業高校。動物が大好きで、自然に囲まれた環境で学びたいと思い、遠く離れた地に進むことを決めました。
農業高校では農業の技術や知識を身に付けることができます。しかし、卒業すると一般企業や農業とは関係のない道を選択する学生も多くいます。
近藤さんの友人も、トリマーや動物病院など、動物と関わることができる仕事を選んだそうです。しかし近藤さんは「動物が成長する姿を見たい」という思いで、畜産の道へ進むことに。
そこで近藤さんに現在の心境を伺ったところ「本当に良かったです!北海道が大好きだし、ここでしか見られない景色があります」。と笑顔で答えてくれました。
アットホームで優しい先輩ばかり!苦労に感じることは…ないですね笑
就職して3年目の近藤さんに、農業に就職して苦労したことを伺うと、少し考えて出てきた言葉は「苦労に感じたことは…ないですね笑」。
社会人3年目であれば、仕事のコツを掴んできたり、余裕が出てくる時期ですが、近藤さんは1年目から楽しく仕事ができていたそうです。
「職場はとてもアットホームな環境で、先輩も優しい人ばかり。仕事も大好きな動物たちに囲まれているので、ストレスも少ないです」。
さらに、虫や汚れなど、苦手に感じる人が多い部分についても、「私、虫とか汚いのって平気なんです」とサラリと話してくれました。
ミルクを与えている子羊たちの成長を見るのが楽しみ
大好きな動物に囲まれて、充実した生活を過ごしているように見える近藤さんですが、20代の若者が、誰も友達がいない場所で過ごすことに苦労はないのでしょうか?
休日はどう過ごしているのか伺ったところ「車を購入したので、休みの日は近くの観光名所を巡ったり、職場のみんなと遊んでいます」。
地域の方たちとの交流はあまりないそうですが、スマートフォンがあれば、遠く離れた友人たちにも連絡はできるし、寂しいと感じることはないそうです。むしろ、マイペースで好きなことに囲まれた生活を楽しんでいる様子でした。
また、仕事でも新しい楽しみを見つけたそうで、「子牛に哺乳する仕事をしているんですが、それが本当に好きです。子牛の成長を見ていると、やっていて良かったなって思えます」と笑顔で答える近藤さん。
3年という月日を動物たちと過ごすことで、育てている動物たちの成長も間近に見ることができたそうです。
「いつか、たくさんの動物がいる牧場をつくりたい」就職3年目で見えてた将来の夢
近藤さんに、将来やってみたいことは?と伺ったところ「いつか動物がたくさんいる牧場をつくりたいんです。経営したいわけではないんですが、たくさんの動物と触れ合える、そんな場所を作りたいと思っています」と答えてくれました。
さまざまな動物を育てていたいと話してくれた近藤さん。その目標のために、ファームズ千代田で経験を積んでいるそうです。
好きなことを職業にした近藤さん。大自然と動物たちに囲まれた生活は、自身にとってもあっていたそうです。
体力があって明るい人と一緒に働きたい!
「農家になって良かった」と答える近藤さんに、どんな人が農家に向いているのか聞いてみたところ「農業になるのに、年齢や経験は関係ないと思います。体力があって明るい人であれば、一緒に働いてみたいでね」と答えてくれました。
「好きなものであれば苦に感じない」という近藤さんのように、生き物や自然に囲まれたいという方にとって、農業は最適な仕事なのかもしれません。
株式会社ファームズ千代田
北海道上川郡美瑛町春日台4221番地
観光農園、肉用牛、養豚、養鶏、ブロイラー養鶏、羊、馬