「女性のライフステージに合わせた働き方ができる」けーあいファームを支える女性のパワー

【株式会社けーあいファーム：佐藤寿美さん（中央左上）、関澤美奈さん（中央右）、上ヶ島晴香さん（中央下】

北海道千歳市長都地区に位置する株式会社けーあいファーム。石狩平野の南西部に広がる圃場では夏から秋にかけて白菜、キャベツ、ブロッコリー、とうもろこし、かぼちゃ、にんじん、通年でしいたけ栽培をしています。

代表の五十嵐重明さんはもともと会社員、農業未経験ながら約10年で法人化され、現在では経営面積100haを超える大規模農園にまで成長させた敏腕経営者です。

この会社の大きな特徴は従来の農業の枠に捉われず、常に「新しい農業のやり方」を模索していること。ドローンによる農薬散布やGPSガイダンス付きトラクターなど、スマート農業を積極的に実施し、また持続可能な農業に向けた環境保全対策にも取り組まれています。

また「雇用を生むことで地域を活性化させる」ことを目指しており、従業員の数は現在パートタイムを含めると100名以上。新卒から子育て中の女性など、それぞれが自身のライフステージに合わせた働き方ができる職場環境も魅力の一つです。

この活気あふれる「けーあいファーム」でエネルギッシュに働く女性従業員3名に、仕事の内容や働き方についてお話を伺いました。

「垣根を超えたコミュニケーション」が活発な社風は風通しが良く働きやすい！

「お願いしまーす！」快活な声と共にインタビューの場に登場してくださった3名の女性。施設長の佐藤寿美さん、就農９年目の関澤美奈さん、就農３年目の上ヶ島晴香さんです。

就農５年で施設長になられた佐藤さんが圃場にいらっしゃるのは珍しく、基本は本社にて管理業務をされているそうです。そのほか種から苗を育てたり、植え付けの際は早朝から散水したり、と管理に加えて担当されるお仕事は多岐にわたります。

「佐藤さんは色々業務が多くて大変ですよね、でもこうやって畑で会えるのはラッキーですよ！」と笑いながら取材陣に話してくださったのは関澤さん。北海道の大空のもと、和気あいあいとした雰囲気で作業される皆さんはとても明るく、清々しい表情が印象的でした。

「女性が多い職場です。働きやすい環境が整っていると思います」と佐藤さん。「時間の融通も利くし、お休みも取りやすい。子育て中のママさんやパートさんも多く在籍しています」といいます。

実際関澤さんと上ヶ島さんも現在お子さんを育てながらけーあいファームでイキイキと農業をされています。「コロナ前はBBQやハロウィン、クリスマス、歓送迎会、あ、腕相撲大会もやりましたよ！」と関澤さん。「ハロウィンは仮装もしてみんな子供も一緒に遊びにきました。派遣のメンバーも入れて110名くらい集まりました！みんな風通しよい関係で、それがまた心地良く、仕事も頑張ろうと思えます」

「農業は３年目、保育園から圃場へ向かう毎日です」子育てとの両立、自分らしく働きながら見つけた「農業の魅力」とは？

農業は３年目と話す上ヶ島さん。毎日6時に起床、保育園に子供を預け9時から17時まで農業に従事、その後子育てに戻る毎日です。「今日はさつまいもの苗を植えてきました！体は疲れますが達成感を感じられるお仕事です」と忙しくも充実している様子。

関澤さんは就農９年目のベテランさん。

「最初は全く違う仕事をしていましたが、子供が小学校１年生に上がるタイミングで農業のお仕事を始めました」といいます。現在お子さんは中学３年生になられたとのこと。ここけーあいファームで９年間続けられてきたのは柔軟な会社の対応や明るい社風の賜物だといいます。

「時期や作物によって仕事内容が毎日変わるので、いつも新人みたいな気分です」と笑う関澤さん。「ずっと一つの作業の担当をするのではなく、その日その日によってやることが違う、そこもまた魅力です」

「農業って楽しい！この瞬間がたまらない！」それぞれのやりがいを伺いました

「種から植えて苗が大きくなり、収穫する、その一連の経過を見ながら今年もいいものができたなぁとしみじみ思えた時が愛おしく嬉しい」と佐藤さん。「自分たちで手をかけて作った作物はやっぱり美味しいし、採れたてを食べられる幸せを実感します」

上ヶ島さんがやってよかった！と思える瞬間は「かぼちゃの収穫です！」と少々マニアック！？「かぼちゃはすごく手がかかるんですよ。手作業で種から植えるところから草取り、ツルの手入れまで、とにかく工程が多い。でも手間をかけた分、収穫すると達成感を感じます！」と教えてくれました。

関澤さんは？と伺うと「いやぁ―どれにしようかなぁ」としばらくの沈黙。悩んでしまうくらい農業は魅力にあふれているのだな、と感じられる瞬間でした。

「突き詰めればやっぱり、家族や友達に食べてもらえることですね！食べて美味しいといってもらえると、頑張ってよかったなと感じます！」

農業にチャレンジしてみたい方へ、皆さんからメッセージ

「毎年、うちの会社には道外から若い方がたくさん来てくれます。皆さん農業されたことない方ばかりですが、大丈夫です！寮もついているし、最小限の荷物でくればなんとかなる！」と関澤さん。頼もしいお言葉をいただきました。

上ヶ島さんは「達成感と開放感がたまらなく気持ちが良いです！外で汗を流して働くのは体力面では大変ですが、精神的なストレスはかからず働けるのがいいところ」と、北海道の大地の持つパワーを逆に享受できることが魅力だと話してくれました。

最後に佐藤施設長が締めくくります。「広い大地での収穫作業、それが順次出荷されていく様子は私たち農業従事者のやりがいの要。あとはやっぱりみんなが言うように、開放感の中での作業がたまらないです。楽しいですよ」

けーあいファームの「人財」とも言える従業員の皆さん。北海道の大空のもと自分らしく働く姿がとても魅力的でした。